11月10日、大谷主宰出席の東京句会に参加。

小春日和の東京、北の丸公園や千鳥ヶ淵にも人が集っていた。
今月は参加者が26人と東京句会にしては少なかったせいか、
主宰からは一句一句、ていねいな講評をいただけた。
 

 鵙日和力士のまわし干してあり    金澤道子

まさに緊張と弛緩。
この句で「鵙日和」という季語の使い方を知った。
加藤楸邨の<かなしめば鵙金色の日を負ひ来>よりも、
からっとしている。
 

 繋がれし猿の無聊や日向ぼこ      潮伸子

猿回しの猿が日向ぼっこをしている。
見るからに、ずいぶん退屈しているご様子。
お前もずいぶん退屈そうだなとあわれんでいるようで、
実は自分のことを詠んでいる。
 

 よるべなき煮凝の身とならうとも  葛西美津子

「煮凝」という季語はじつに面白い。
というか、季語の面白さの一面を教えてくれる。
「よるべなき煮凝の身」とはなんぞや。
理屈をこえて、直感的に伝わってくるものがある。
 

関根千方
*主宰特選入選句は古志本誌の「句会報告」に掲載しております。

 

Comments are closed.