古志
句会日記15
3月9日、大谷主宰出席の東京句会。
やっと春らしい感じがしてきた、東京青山こどもの城。天候にもめぐまれ、35名が参加。
三月十日その夜の空のまくれなゐ 山本智恵子
1945年3月10日、東京大空襲の空を赤一色で描いた。かえって、恐ろしさが伝わってくる。午前0時過ぎから米軍による焼夷弾攻撃が始まり、一夜にして東京市街地の東半部が焼失。この一般市民への無差別攻撃により8万人の死者、100万人もの被災者が出たという。
ぶつかりて迷ひし蜷の道ならん 上村幸三
作者ご自身の人生を重ねて詠まれているのであろう。蜷ですら、ぶつかり、迷いながら、進んでいる。まして人間であれば、そうあらぬものはない。そのような人生を励ましているようにもとれる。
席題に「蜃気楼」という季題が出た。ありふれた発想しか出てこなかったのがくやしい。なかなかつくる機会もない季題であるので、引き続き、考えてみたい。
関根千方記
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