古志
句会日記2
8月11日、大谷主宰出席の東京句会。
立秋のあとの東京、北の丸公園。参加者は29名。
夏の盛りに少しかげりの見え始めたとはいえ、まだまだ暑い。
秋暑しおろおろのぼる九段坂 山本智恵子
九段下駅の長い階段と、田安門までの急な坂を
のぼってきたからこその一句。
あふぎつつそのまま秋の扇かな 丹野麻衣子
秋の句をつくりにはかに秋めける 北島正和
どっちつかずな時季にあって、
俳句の力で、秋を呼び寄せている。
失言は元に戻せず汗が目に 片山ひろし
軽はずみな発言をしがちなものの一人として、
たいへんみにつまされた一句。
「目に、とまで言ったことで、リアリティが出た」と主宰の評。
働きし数のハンカチアイロンかけ わたなべかよ
仕事の日数をハンカチの数に置き換えただけでなく、
「アイロンかけ」という即物的な言葉で抑えたところがうまい。
かえって読み手の心が伝わってくる。
もう一歩、物の側に踏み込んで詠む力をつけたい。
関根千方
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