古志
編集長日記27
5月26日(日)、大谷主宰出席の熊本合同句会に参加。
当日は熊本の方のみならず、福岡、宮崎、また愛媛、東京といった各地の会員が集結した。熊本城はもちろんのこと、水前寺成趣園、夏目漱石ら文豪の旧居など興味深く、素晴らしい名所に出会えた。が、特に水前寺成趣園から上江津湖へ抜ける川沿いの遊歩道が私の胸を打った。夕暮れた川では子供らが靴を脱いで水遊びをしている。何ということはない自然の風景。だが今ではそうそう見ることはできない風景。
麦秋の一本道の果ては雲 裕子
蘆爽爽若き裸のざぶざぶと 紫春
句会では主宰からの教えも請うた。
天井の龍もうろうと梅雨入りかな 戌彦
第2句座目の席題「梅雨」の特選句。主宰の直しが入り、「梅雨入りかな」を「梅雨に入る」とされた。主宰も以前長谷川前主宰に口を酸っぱくして教えられたとの前置きがあり、「『かな』の切れ字は『心情・詠嘆』を表すもの。動的ではない。ここでは『梅雨に入る』と動きを入れた表現で一気に言い切ることが大事。原句は句の勢いを止めてしまい、もったいない句になってしまっている」とのお言葉があった。特選句がさらにいい句になり、一同でうなずいた。
句会の翌日、九州も例年より早い梅雨入りを迎えた。
特選句に触発されたか。雨の熊本もまた一段といいだろう。
辻 奈央子
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