10月13日、大谷主宰出席の東京句会。

参加者31名。茨城の上村幸三さんが初参加。
また、静岡から村松二本さん、岡山から神蛇広さんが参加くださった。

この日は、朝からさわやかな秋晴れであったが、
一座目を終えたあと、空に大鰯雲があらわれた。

今回、印象に残った主宰のお話は、
一物仕立ての句の切り方について。

句の焦点と異なる箇所で強く切ってしまうと、
句の焦点がさだまらない。

また、一句の中に二つ強い切れがあると、
せっかくの切れが打ち消し合ってしまう。

もちろん杓子定規には言えないが、
句はやみくもに切ればいいわけではなく、
一句一句、その句にふさわしい切り方があるということ。
切れが有効にはたらく、切り方を身につけたい。

さて、取り合わせの句を二つ。

   ふるさとはかかあ天下や吊し柿  大場梅子

「吊し柿」が効いている。
大場さんのご出身は、秩父。
ちなみに、ご本人は違うとおっしゃっていた。
男性がたくさん吊るされている様子を、
思い浮かべてしまった。

   豊年やくるりと回る馬の耳  真板道夫

「馬の耳に念仏」などというが、とんでもない。
豊作にわく人と生活のさまざまな音は、
馬の耳にもきっと届いているのだろう。
少なくとも、人間の耳よりはずっとよさそうだ。

関根千方

 

Comments are closed.