古志
句会日記14
3月3日(日)、大谷主宰出席の青年部句会に参加。
東京に「春」を呼ぶ伝統行事、「第28回江戸流しびな」が行われた吾妻橋・隅田公園・隅田川付近を吟行した。
「流し雛」を体験する機会にも恵まれた。可愛らしい雛を自分の手で直接流すのは何ともさびしい気持ちである…。その日はのどかであたたかな陽気であったが、風が強く、私の雛は手を離した瞬間に風で飛ばされ、空中を舞った後川へと着水した。今はもうどこまで流れていったのか。
今回の句会には、「句集 初音」を上梓された近藤英子様を特別ゲストとしてお迎えした。また、見学者の柳様をお迎えし、青年部の渡辺竜樹様も愛知から参加。参加者の方からの「言問団子」や豆菓子、ひなあられの差し入れを食べ、すっかりひなまつり気分である。
一句座。
蕗味噌やけふはきのふの春ならず 英子
ことごとく春の泥より生れしもの きつね
皆で名をかんがへてゐる子猫かな 陽市
二句座。
流し雛ぶつかりあつて返りけり 裕隆
春月のごとく言問団子かな 竜樹
流し雛眠るがごとく漂へり 奈央子
川を結ふ紐の如くに流し雛 篤史
近藤様には句集をつくる上での苦労話等をお話していただいた。近藤様は青年部員からの質問に丁寧に答えてくださり、激励してくださった。「句集は自分の句の「集大成」ではなく、自分の句を見直す「機会」であり、句集を出すことにより、さらに飛躍することができる」という強いお言葉に感銘を受けた。
私は「句集を出すこと」がまるで想像もつかなかったし、遥か遠くのことのように考えていた。なので、今回お話を聞き、「句集を出すこと」が急に現実味を帯び始めた。
意識を新たにし、一句一句全力でつくっていきたい。
石塚直子
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