古志社では、現在次の五賞を設けています。

一、飴山實俳句賞 (選者=大谷弘至)
二、古志俳論賞  (選者=大谷弘至)
三、古志新鋭賞  (選者=大谷弘至)
四、題詠欄年間賞 (選者=飛岡光枝)
五、つくし欄年間賞(選者=イーブン美奈子)

2005年に飴山實俳句賞と古志俳論賞を設け、以来毎年、どちらの賞も会員・同人から作品を募集し、選考委員の審査によって受賞作品が選ばれてきましたが、2021年より選考方法が変わりました。

飴山實俳句賞は投句欄において一年を通して目覚ましい活躍をみせた作家に授与します。古志俳論賞は、前年十月から当年九月までに「古志」誌面に発表された俳論の中から選ばれます。新春の古志一月号の誌面で発表になります。

2021年より古志新鋭賞が新設されました。投句欄において著しい成長を見せる四十歳以下の作家に授与されます(隔年)。

題詠欄年間賞(2010年~)は題詠欄におけるその年の秀れた一句に対して授与されます。つくし賞(2016年~)はつくし欄におけるその年の秀れた一句に対して授与されます。なお、ともに選考方法に変更はありません。

過去の歴代の受賞者は次の通りです(敬称略)。

飴山實俳句賞

第18回(2023年) 上村幸三、西川東久
第17回(2022年) イーブン美奈子
第16回(2021年) 秋元大吉郎
第16回(2021年) 喜田りえこ
第15回(2020年) <該当者なし>
第14回(2019年) 藤原智子  『餅搗』
第14回(2019年) 菅谷和子  『修羅落し』
第13回(2018年) 篠原隆子  『舞初』
第12回(2017年) 有馬一水  『八十路』
第11回(2016年) 田村史生  『七月』
第10回(2015年) 関根千方  『螢籠』
第9回(2014年) むらたともみ『いたち川』
第8回(2013年) 中村汀   『湖』
第7回(2012年) 齋藤嘉子  『籠枕』
第6回(2011年) <該当者なし>
第5回(2009年) 渡辺竜樹  『桜湯』
第4回(2008年) 萬燈ゆき  『宗祇水』
第3回(2007年) 丹野麻衣子 『花背』
第2回(2006年) 大谷弘至  『花炉』
第1回(2005年) 北側松太  『雲のほとり』
* 2010年は「飴山實俳句賞」ではなく句集を対象とした「飴山賞」となり、該当者はありませんでした。

古志俳論賞

第19回(2023年) <該当者なし>
第18回(2022年) 平野晧大  『消失にいたる小径—石牟礼道子論』
第17回(2021年) 喜田りえこ 『大魯と蕪村 響き合う句心』
第16回(2020年) <該当者なし>
第15回(2019年) <該当者なし>
第14回(2018年) 伊藤空   『「凡そ、三尺の童」に関する若干の考察』
第14回(2018年) 木下洋子  『惟然』
第13回(2017年) <該当者なし>
第12回(2016年) <該当者なし>
第11回(2015年) <該当者なし>
第10回(2014年) 水岩瞳   『飴山實の第一句集『おりいぶ』の復権』
第9回(2013年) 西川遊歩  『加藤楸邨の「絹の細道」—シルクロードの紀行句文集と句集『吹越』の絹が目指したもの—』
第8回(2012年) 川口勇   『芭蕉の方法—その推敲の足跡—』
第7回(2011年) 齋藤嘉子  『鎮魂と祈りの人—川崎展宏—』
第6回(2010年) 藤英樹   『初代中村吉右衛門と俳句』
第5回(2009年) 熊瀬川貴晶 『松瀬青々論—その現代的意義』
第4回(2008年) 砂沢泉   『飴山實の「心音」』
第3回(2007年) <該当者なし>
第2回(2006年) <該当者なし>
第1回(2005年) 村松二本  『飴山實の居所』

古志新鋭賞

第2回(2023年)安藤文
第1回(2021年) 石塚直子

題詠欄年間賞

2023年 大空の機嫌うるはし揚雲雀     西川東久
2022年 ともに見る人ひとりあれ冬の月   橋詰育子
2021年 鷽替の梢にはやも一二輪      川辺酸模
2020年 蚊一匹蚊柱に呑み込まれゆく    田村史生
2019年 姿見もともに古りたり更衣     澤田美那子
2018年 東京の朝日にひかる冬菜畑     杉山重子
2017年 獅子舞の畔から畔をわたり来る   山本美子
2016年 大いなる枯木となつて君待たん   木下まこと
2015年 しぐるるやカンナに赤き炎の名残り 関きみ子
2014年 すうと来るいい考へも流星も    柚木紀子
2013年 老骨や夢の花野を歩みゆく     青沼章二
2012年 鰯雲漁する人も舟もなく      庄司愉子
2011年 大いなる夢を果さんまづ昼寝    梅本元子
2010年 水澄むや晩年の父に逢ひにゆく   松本邦吉

つくし欄年間賞

2023年 クロカンスキー全速力で春になる  志水雪
2022年 元旦に胸を張ってる鏡餅      古藤睦己
2021年 夏の雲のびのびそだつキリンみたい 京籐愛実
2020年 鰯雲大きい魚が空泳ぐ       上林幸乃
2019年 春風を切つてダッシュをくり返す  河野愛優菜
2018年 風鈴の音色の夏となりにけり    河野優羽華
2017年 熱坊とあだ名がついた風邪ひいて  河野芯矢
2016年 まんじゅしゃげ葉っぱ忘れて生まれたの 佐川瑚子

なお、古志年間賞(2009年〜2020年)は廃止となりました。また、三十句競詠賞(2007年〜2010年)、古志新人賞(2009年〜2010年)がありましたが、2011年より廃止となりました。

古志年間賞

2020年 絢爛たる男盛りを新走       渡辺竜樹
2019年 水の秋雨の水輪を雨が消し     佐々木まき
2019年 腹の子も蹴つて暴れて鬼は外    石塚直子
2018年 待ちきれず春を迎へにゆくところ  森凜柚
2017年 寂びさびて鮎は銀河の一滴に    大場梅子
2017年 明日知らぬ星に確かな菫かな    吉冨緑
2016年 なんとまあ汗の大甕わが身体    吉田順子
2015年 炎天をぶつ飛ばし来よホ句の友   甲藤卓雄
2014年 強さうな茄子を選んで馬一つ    坂元初男
2014年 蝶となり大海原にひるむ夢     上俊一
2013年 わが心のぞくがごとく胡桃割る   斉藤真知子
2013年 鐘撞けば誰かまた撞く柿の秋    矢野京子
2012年 コスモスやどなたもきつと晴れ女  下田水心子
2011年 つづれさせぼろさせ母の声となり  田中紫春
2010年 爽やかにいま王道をゆくわれら   川村玲子
2009年 西行の歌は陀羅尼か秋の風     元屋奈那子

三十句競詠賞
第4回(2010年) 藤原智子
第3回(2009年) 山田歌子
第2回(2008年) 中西幸雄
第1回(2007年) 新倉一光

古志新人賞
第2回(2010年) 森永尚子
第1回(2009年) 岡崎陽市/熊瀬川貴晶/関根千方/西村麒麟

 

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