古志
編集長日記13
3月10日(土)、大谷主宰出席の東京句会に参加。
正直にものを言ひたる寒さかな 洋
「正直にものを」言ったということだが、そのことを詠んだ俳句もまっすぐに響いてくる。
杉山常之さんの山菜とりの句はどれも印象的だった。
楤の芽は猪のぬた場に授かりぬ 常之
主宰「山菜が『授かりもの』という見方、人生観がいいですね。」
山菜は、他の山菜とりのひとのため、また再生のためにとりすぎてはいけない。
小さい山菜ならば、大きくなってから他のひとがとればいいということで、そのままにしておく。
「授かりもの」というとらえかたは、山菜とりのそういうつつましさから生まれたのではないだろうか。
常之さんの句からは山菜とりの色々なことが思われた。
席題は「鶯餅」、「茎立」、「春の宵」
鶯餅ちよつとつまんで出来上り あかり
主宰「鶯餅はとらえどころのない抽象的なかたちをしていますが、それをかろがろと詠んでいます。」
「茎立」については、実際にそれとして見たことがなかったので苦戦した。
ふだんから身近にない季語でも作るように心がけねばと、あらためて認識する。
5月の鍛錬句会では、その機会をすすんでつくりたい。
市川きつね
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