古志
句会日記5
10月27日、大谷主宰出席の東京神奈川吟行句会に参加。
秋の薔薇まつりでにぎわう、旧古河庭園を吟行。
庭園内で吉田兄弟の津軽三味線の演奏があった。
旧古河庭園は駒込と王子の間の高台の土地にあり、
急な斜面を利用した庭園。庭は和風だが、
大正期に建てられた洋館がある。
幾万の薔薇を咲かせて冬構へ 園田靖彦
人間の力というのは、本来こういうものだろうと思う。
いまの「24時間空調と床暖の住み心地」といったものも、
この句の前では、むしろ寒々しいものに思えてくる。
秋深き隣の石に座る人 山田洋
芭蕉の句のパロディ。
行く秋の手前で石に座るということは、どういうことか。
想像がふくらむ。おそらく自分も石に座っているのだろう。
スケッチの子のかたはらに毛糸編む 神戸秀子
小学一年のとき、旧古河庭園で写生会をしたことがある。
当時はもっと古ぼけた色の石の洋館であったが、
クレヨンの色全部使って花で満たした絵であった。
句会のあと、大谷主宰より吟行をして句を詠む時、
注意すべきことをお話しいただいた。
一、見てきたものをそのまま詠まない
二、眼前のものにとらわれない
三、ものの背後にあるものをつかむ
投句するとき、また選句するときにも、
しっかり意識したい。
関根千方
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