古志
句会日記13
2月24日、長谷川前主宰出席の鎌倉句会。
6年前の2月25日に他界した飯田龍太を忍んでの句会。また、近藤英子さんが句集『初音』を編まれたことを祝い、席題は「龍太忌」と「初音」で、句を詠み合った。
悠々とおのれにもどり春の山 上村幸三
「龍太ぶりの句」と前主宰の評。なるほど、龍太に〈またもとのおのれにもどり夕焼中〉という句あり。この句だけでなく、龍太の句を下敷きにして詠まれた句がたいへん目立っていた。季語として「龍太忌」と入れなくとも、龍太を忍んだ句は詠める。
花辛夷見上げる後ろ姿かな 近藤英子
頭上に咲いている花辛夷を見上げる人がいて、作者はその後ろ姿を見ている。後ろ姿を見つめるということは、それが誰であれ、おのれにとってその人がどんな存在であるかを考えさせる瞬間でもあろう。前主宰は「この後ろ姿は龍太ともとれる」とおっしゃっていた。
来月は飴山忌句会。
関根千方記
If you enjoyed this article, please consider sharing it!